フィンランド、料理入門

Ruoanlaitto japanilaisittain

4月
19

Äideistä parhain

Klaus Härö,2005.
 2006年のフィンランド・オスカー候補作、海外での評価も高い。つまり俗っぽいともいえるのだが、目頭が熱くなる。監督はNäkymäton Elinaの人。舞台はスウェーデン(Skåne)、スウェーデン語が多用されるのも前作同様。映像の美しさも然り。 
 現在の親子の対話をモノクロで、疎開時(1944年)の思い出をカラーで描写するわけだが、対話の展開がわかりづらい。繰り返して見て、短い会話をじっくり聞き取った末、了解できた。
 つまり、年老いたEeroが母親のアパートを訪れたのはSkåneでの葬式を終えた後。SigneとKirstiの手紙を読み、母親の気持ちを理解したうえでのことだったわけだ。50年以上に渡る誤解が氷解し、喜びあってもよさそうな状況だが、取り返しのつかない時間にEeroはただ母親の腕を叩くのみ。母親も同様の反応しかできない。しかし、だからこそ両者の気持ちが通じ合ったことが伝わってくる。アパートを出たEeroの泣き笑いも、その胸中を汲み取るに十分だ。
 ところでÄideistä parhain、最高の母親というのは誰のことか。疎開先のSigneはKirstiに宛てた手紙に「最高の母親になるように努力する」と書き、実際に深い愛情を注いだ。一方、生みの親であるKirstiもずっとEeroを愛し続けていた。英訳タイトルはMother of mine,僕のお母さんだが、これもどちらを差すのか曖昧だ。おそらくは双方に向けてのことであろうが。

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